金型成型品

サンフォース®

金型成型品

2021/01/21

これまでの発泡体を超えた高機能素材

発泡スチロール、ポリスチレン・ポリエチレン共重合体など、これまでの発泡プラスチックス素材の性能を持ちながら、難燃性や耐熱性・付型性を向上させた、従来の発泡体を超えた機能を併せ持つ漆黒の素材。
それがサンフォース®※1です。
エンジニアリングプラスチック※2を基材とするサンフォース®は、これまで金属等でしか対応できなかった部品をより軽く、より安く成型することを可能にしました。

※1 サンフォース®は旭化成株式会社の登録商標です。
※2 変性ポリフェニレンエーテル樹脂(m-PPE)

写真:サンフォース® 発泡粒

主な特徴

発泡ビーズ世界初! 世界基準の難燃性

サンフォース®の一番の特徴である『難燃性』。
難燃性とは文字通り、素材が燃え難い性質のことを指しますが、サンフォース®は、『UL規格』のプラスチック部材向け難燃規格『UL-94』にて『V-0』の認定を受けました。
これは、非常に高いレベルの難燃性をもつことを意味します。
世界で初めて発泡ビーズとしてV-0を取得した材料、それがサンフォース®なのです。

※米国の民間の第三者安全科学機関『UL LLC』の任意規格で、多くはANSI規格にも登録されており、電気機器等の事実上公的な安全規格となっています。
米国ではUL証明のない電気製品はPL保険対象外とされるため、UL認定は世界の安全規格を代表するものとして安全の証とされています。

高い耐熱性

『素材が高温におかれた際にどれだけ機能を保つことが出来るか』は、素材を使用する上で非常に重要な項目です。
温度が上昇する環境でも安全に使用する為には素材自体に高い『耐熱性』が求められます。
サンフォース®の原料は、元々プラスチックの中でも耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチック。
その特徴を引き継いでいるため、従来の発泡プラスチックに比べ優れた耐熱性を持っています。

高い寸法精度

工業製品を構成する部品を適切に機能させるためには、素材の寸法精度が重要です。
サンフォース®はその点においても優れています。
加工時の寸法変化も非常に小さく、一般的な射出成型品に近いレベルでの成型加工が可能なので、構造体やシャーシにも安心して使用いただけます。
また、サンフォース®は樹脂の中でも線膨張係数の少ないPPE樹脂の特徴を引き継ぎ、温度による影響は比較的小さくなっています。
そして、サンフォース®は成型金型内にビーズを充填し、スチームでビーズ同士を膨らませながら熱融着させる方法で成型します。
このため、成型品肉厚が厚薄混合でも反りやヒケが出にくく、形状制限なく自由に設計することが可能です。

※素材の寸法が温度によってどれだけ変化するかを表す指標。

薄肉成型が可能

薄肉形状で工業製品の部品設計が出来る事は、製品や部品の省スペース化や軽量化やコスト削減に繋がり、大きなメリットとなります。ですが、一般的に、発泡成型品はどちらかと言えば薄肉成型は不得手な部分でした。
一方、サンフォース®の粒径は、発泡ビーズとしては微細粒径の1mm~。
そのため、従来の発泡体では困難であった薄肉成型が可能になりました
発泡体でありながらも、細いリブを立てた部品や薄い形状を持ったシャーシなどにも使用できる材料。それがサンフォース®なのです。

※推奨肉厚:サンフォース7倍品の場合、4㎜厚以上。ただし、難燃性の観点では、最薄部でも3mm以上(10倍品は5mm厚以上)の肉厚が必要になります。

発泡体の長所はそのままに。軽量・高断熱!

『発泡体』は内部に多くの気泡構造を持つ素材です。 このため、発泡体は元々の素材に比べて非常に軽くなります。
サンフォース®は変性ポリフェニレンエーテル樹脂(m-PPE)を主な原料にした高機能発泡プラスチック。
専用に開発された原料のミニペレットに無機ガスを注入して発泡させ、既に発泡した発泡ビーズとして製造・販売されます※1
また、発泡倍率は粒径だけでなく性能にも関係しています。
発泡倍率が低い(低倍品)であるほど高強度で薄肉成型が可能になり、高くなる(高倍率)ほどより軽く※2断熱性能が上がりコストダウンにつながります。
用途に応じた倍率をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。

※1 3.5倍・5倍・7倍・10倍発泡用の発泡ビーズをラインナップしています。

※2 10cm角の箱を作った場合、アルミ0.7mm厚の場合113g、ABS樹脂2mm厚の場合132gに対し、サンフォース®7倍8mm厚の場合67g。

コストダウン

サンフォース®製品の製造方法は、一般的な発泡スチロールと同じ蒸気成型です。
金型内圧が低いためアルミニウムで金型を製作可能で、加工性が良い事と相まって非常に安価に金型を製作する事が可能です。
また、発泡させて粒径を大きくするため、樹脂射出成型等と比べて使用樹脂量を減らすことが出来るので、原料費の点でもコストダウンにつながります。

使用例

  • 通信機器・医療機器のシャーシ
  • ダクト
  • バッテリーパック等、自動車部品
  • 窓サッシ断熱等、住宅設備

成型品例

写真:サンフォース 成型品例(トレイ)
写真:サンフォース 成型品例(箱)
写真:サンフォース 成型品例(キューブ)
写真:サンフォース 成型品例(ダクト)